最後の贈り物

四十九日を終えた後で、本家のおかあちゃんが渡してくれた紙包み

いったい何年前のものなんだ?というくらい、シミやほこりっぽいざらざらした感触がしました


一月ほど前、ばあばのおうちを片付けていたときに、押入れの一番奥の一番上の棚から、神棚が出てきたのです
こんなところに仕舞ってあるということは、使っていない神棚なんだろうということで、神社さんに納める段取りで話をして帰って来て、その後のことはすっかり忘れてました

おかあちゃんは、その後で神社に納めるために中を開けてみたのだそうです
中から出てきたのが、この紙包み

何の気なしに開けてみたら、私の生年月日(びみょうに違ってたけど)の書かれた御札でした
虫除け・虫抜き・虫封じ

うちは姉が、癇の強い子で、夜泣きがすごかったそうで
ばあばは、よく夜に姉を寝かせつけるために、おんぶして散歩に連れ出していたそうです
その様子は近所の人が気の毒がるほどだったそう←今なら逆に怒られそうだけど、昔はどこもおおらかだったんだなあ

だから、次に生まれた子も癇癪持ちではたまらない、と思ってたのかねえ?とみんなで笑っていたのですが

私はこの本を思い出して

戦国時代のハラノムシ―『針聞書』のゆかいな病魔たち

戦国時代のハラノムシ―『針聞書』のゆかいな病魔たち

健康祈願をしてくれてたのかなあ、と勝手に思ったりしました

何にせよ、生まれたときに誰かがそうやって祈ってくれていたのだということが、何よりもうれしかったです
それは生きる勇気になるから


毎年、誕生日にはばあばが大きなバウムクーヘンを買ってくれました
いつもは高くて買えないような、大きなバウムクーヘン
二人で少しずつ、珈琲を淹れて、一緒に食べました

もうそんなこともないんだなあ、と思っていたら
最後にこんな贈り物を残していてくれたとは

してやられたり!な気分

お誕生日ありがとう、ばあば