凛凛として風の如し

さりげない優しさというのは、なかなか出来ることではない


手作りのだし巻き卵を包んだラップには、いつも付箋
おうちに遊びに行くと、冷蔵庫から出てくる八朔は綺麗に皮まで剥いてある
私の大好物の湯がいた栗は、「少しですが」という一筆箋とともに袋に入れて置かれているときには、鬼皮から渋皮までうつくしく剥かれていた


それは、ぜんぶ優しさから

ラップの付箋は、ラップのはじっこを見つけて、はがすのが大変な年配の方のために
皮まで剥かれた八朔も湯で栗も、季節に関係なくがさがさにひび割れて荒れた私の手を気遣って

決して押し付けじゃない優しさ

数え上げればキリがない
気づかずにいることもたくさんある

だけど、「気づかれないほうがいいの」と彼女は笑うから

何も語らず、何も告げず
むしろ気づかれないことに「ふふふ」と喜んでいる
いたずらっ子のように笑う



今になって、たくさんの優しさに包まれていたことに気づく
あらためて気づく



この本に記されている“乙女”の定義

乙女とは、悲しみに向き合うことを恐れず、
夢を追い求めて孤独という荒野に突き進んで行く
そんな情熱を心に秘めている女性。

『乙女の大阪』105頁のあとがきより、MOTOKOさんの言葉より引用させて頂きました


私の大切な友達は、最高の乙女でありました


「ひとりはなんにもさみしいことじゃない」
私たちを結びつけた言葉


孤独を畏れず、孤独を愛する
どんなに大切な人たちと一緒にいても、ひとりを大切にする
自分を大切にするということはすなわち
自分じゃない誰かを、大切に思うことができるということだから