20年来

中学生の時にこの本を読んで以来、ずっと食べてみたかった「忘れんぼのバナナケーキ」を食べることができました

以下引用

だが、何よりも口惜しいかな、粉だ。曲りなりにケーキを二十年間焼いていて、絶望するのは、粉のことだ。日本の粉とフランスの粉とは、あまりにもちがいすぎる。フランスの粉はケーキの粉だが、日本の粉はうどん粉だ。同じパウンドケーキを焼いても、フランスの粉は、個人主義の国らしく、粉が一つずつ粒になって自立している。日本の粉は、全部が一緒にのっぺりペタッとなってしまう。(中略)手でつかんで、つかめる粉では困る。ザラザラしていて、指の間からスーッともれて、手に全く残らない、こまかな、砂のようでなくては、あの、キメが、ツブツブに光り輝くパウンドケーキにはならないのだ。
昔のカステラはザックリしていたと母はいう。日本では、一体いつごろから、しなやかで、キメがこまかくて舌ざわりに抵抗のないのがいいケーキだ、という“法律”が出来たのだろう。
それでは、バターを生かした、あの黄金色のパウンドケーキの味は出ないのだ。

(『魔法使いとお菓子たち』森村桂著 P151、152より引用)

作家としての森村桂さんのことは、ほとんど知りません
でも、お菓子作りにかけていた森村さんの情熱に、中学生ながらに感銘を受けたんですね
多感な時期だしね(なんつって)
もうお会いすることができないのは残念だけれど、長年の夢がひとつ叶いました
うれしかったな


もうひとつ
いつか行ってみたいと思っていた上田にあるルヴァンさん(お店は富ヶ谷にも)

ここのクロワッサン(というか、デニッシュやパイ生地かな?)が大好きなのです
しっかりとして、ザクザクです

ここで新たなる発見
ラスクに「とまらなくなるおいしさ」というコメントが書いてあって、気になって買ってみたのですが
うまーっ!!
なるほど、とまらないや