一期一会 29.1% 13968歩

仕事から帰ってみると、祖母が見ていたテレビは大好きなお鮨特集だった
たまたま見たところが、以前に一度伺ったことのあるお鮨屋さんだった
おいしかったので、ぜひともまた伺いたいものだと思っていたら、そのとき応対してくださった女将さんが病気で亡くなったという話を少し前に聞いていた

一瞬だけど、笑顔の女将さんのお写真がテレビの画面に映った
祖母のお土産に誂えてもらった鯖寿司を、渡してくれたときの笑顔そのままだった

懐かしさがいっぺんにこみ上げた
番組の企画は「師匠が弟子に会いに行く」というものだったので、弟子入りしていた息子さんが訪ねてきてくれた師匠に鮨を握って食べてもらうというものだったが
息子さんはわけあって修行半ばで帰らねばならなかったため、修行を終えた暁に最終試験みたいに覚えるタマゴ焼きは習得できずに終えていた

見よう見まね、記憶を頼りに試行錯誤
タマゴ焼きは、まだまだ師匠のおめがねにかなう出来栄えにはならなかった
それは、きっと簡単にはできないことだろうと、素人の私にもわかった

最後に、師匠からのリクエストで握ったコハダを「うまい」と言ってもらえた瞬間、それまでのお店の中じゅうに張り詰めていた緊張感が、一瞬にしてとけたのが画面のこちら側にも伝わってきた

小娘の私には敷居の高さを感じる店構えのお店だったし強面の大将(しかし、実際は強面は顔だけでとても感じのいい人でした)もござらしたけれど、いざ伺ってみたら、とても感じよく気分よく頂くことができたのは、女将さんのあの笑顔のおかげでもあった

一度きりしかお会いしたことはないけれど
あの笑顔を思い出したら、コハダの瞬間は、ほろりともらい泣きしそうになりました

また近いうちに食べに行きたいものだと願いつつ

今日は仕事がオニのように忙しくて目が回っていたのですが、一日の終わり近くによい気持ちになれました
謝謝


注;本日の画像のお鮨は違うお鮨屋さんのものです
ややこしくしてすみません(^_^;)