2015-02-02 教え給へしうた 昨日からずっと思い出している一編の詩 私が歌うわけは いっぴきの仔猫 ずぶぬれで死んでゆく いっぴきの仔猫 私が歌うわけは いっぽんのけやき 根をたたれ枯れてゆく いっぽんのけやき 私がうたうわけは ひとりの子ども 目をみはり立ちすくむ ひとりの子ども 私が歌うわけは ひとりのおとこ 目をそむけうずくまる ひとりのおとこ 私が歌うわけは 一滴の涙 くやしさといらだちの 一滴の涙 『私が歌う理由(わけ)』谷川俊太郎 より命に軽いなんてものはない どんなときも、どんなものにも